いろいろな乾物

海産の乾物

昆布

昆布は世界各地に生息しているといわれていますが、食用昆布は北海道と周辺の限られた地域にしかなく、日本特有の食材です。
昆布には、カルシウム、カリウム、鉄など主要なミネラルがバランス良く含まれています。また、水溶性の食物繊維も多いので腸内環境にも良いです。とろろ昆布など、昆布そのものを食べる加工食品なら、それらの栄養を逃さずとることができます。

鰹節

かつお節は、世界一かたい食品といわれています。それは手間と時間をかけて乾燥させているからです。
かつお節は、身の形を整えたかつおをゆでて燻し、乾燥させて作ります。
かつお節の主成分はたんぱく質。血合いの部分には、より多くの鉄分が含まれています。そのまま料理に入れて食べれば、鉄分も少しずつとることができます。カルシウムの吸収を促すビタミンDも含まれています。

煮干し

煮干しは、主にかたくちいわし、真いわしなどを煮て乾燥させたものです。
西日本では「いりこ」と呼ばれることも多いようです。
昆布やかつお節とはまた違う、魚らしい風味のあるだしがとれますし、そのまま食べることもできます。小魚を丸ごとなので、そのまま食べればカルシウムが補給できます。10g程度で1日の推奨量の1/3量は余裕でとれます。

海苔

磯の香りと風味が手軽に楽しめる海苔。
東京湾産はややかたいが香りが強く、有明海産は口どけが良くやわらかめ、瀬戸内海産は色つやと香りが良くてややかため…など産地によって味わいが異なります。
海苔で注目したい栄養素はビタミンB12です。赤血球の生成を助けるビタミンB12は、焼き海苔約1 枚分で1 日の推奨量の2/3がとれます。
海苔は湿気を吸いやすいので、一度開封した後はしっかり封をして保存をしてください。もしも湿気てしまったら、あぶっても風味は戻りません。

ひじき

日本国内産のひじきは、ほとんどが天然ものです。生のままでは渋みやえぐみがあるため、海からとってきたら天日乾燥させて塩やアクを浮かせ、これを洗い流して蒸し煮にし、乾燥させます。
ひじき10g くらいで、鉄分は成人女性の1日の推奨量の約半分、カルシウムは約1/4量がとれます。どちらも女性に不足しがちな栄養なので、両方とれるうれしい食品といえます。

農産の乾物

高野豆腐

かたく作った豆腐を凍結・熟成・乾燥させたもので、古くから食べられていた保存食です。高野山の僧侶によって作られ広められたものもあるため、「高野豆腐」という呼び名がつきました。
戻るとスポンジ状になり、味をよく含みます。
近年、高野豆腐には、中性脂肪値やコレステロール値を抑える働きのある「レジスタントタンパク」と呼ばれるたんぱく質が多く含まれる事が分かってきました。カルシウムや鉄も豊富に含んでいます。

干ししいたけ

きのこは乾燥させることで保存できるようになるだけでなく、独特の食感とうま味が生まれます。
とくに干ししいたけはうま味が強く、戻し汁はだしとして使えます。
干ししいたけに豊富なビタミンDはカルシウムの吸収や骨への沈着を助ける大事なビタミンです。

麩

麩は小麦粉、水、塩を練って取り出したグルテンに、小麦粉を混ぜ合わせて焼き、乾燥させたものです。
非常に地方色豊かで、新潟や沖縄の車麩や板状で香ばしい山形県の庄内麩の他、生地を油で揚げて作る宮城県の油麩など、全国にさまざまな形や作り方が伝わっています。
植物性たんぱく質を多く含み、低脂肪で消化に負担が少ないのが特徴です。必須アミノ酸のリジンが少ないので、リジンの多い大豆製品と組み合わせるのがおすすめです。

切り干し大根

切り干し大根は、最も一般的な干し大根。青首大根で作られることが多いです。天日干しによって、カルシウムは生の大根に比べ約23倍、鉄は約49倍になります。また、水分が減った分、生よりも少ない量で食物繊維がしっかりとれるのも魅力です。
干し大根は長く保存しておくと茶色っぽくなり、においが出てくることがあります。これは、大根に含まれるアミノ酸と糖が反応し、糖が酸化してしまうため。いたんだりしたわけではありません。

豆

豆は大豆系、いんげん豆系、小豆系など種類が多く、香りや味わいも違います。
水煮の缶詰もありますが、ぜひ一度乾燥の豆からゆでてみてください。食感も香りも、缶詰とは全く違うおいしさでびっくりするはずです。たっぷりゆでて冷凍しておけば、スープや煮込み、サラダなどいろいろ使えます。
豆は良質なたんぱく質源。肉よりも脂質が少なく、しっかりたんぱく質がとれます。加えて、大豆系はビタミンB群が豊富。女性ホルモンに似た働きを持つ、イソフラボンが多いのも特徴です。